【川内村】磐城平藩出身。優れた手腕を発揮し公武合体を進めた幕府老中「安藤信正」ってどんな人?

2021.01.26
地域密着 #安藤信正#川内村#幕府老中#桜田門外の変#歴史人物#磐城平藩

川内村には安藤信正公歌碑なるものがあります。これは、現在の川前地区から川内村に向かう途中で豪雨に遭い、やまなく道端のブナの木の下で雨宿りをしたときに詠んだといわれる歌が記されているもの。さて、この「安藤信正」とはどんな人物なのでしょうか。福島県を代表する江戸時代後期の大名「安藤信正」について迫ります。

 

順調な出世街道。大老の井伊直弼の下で41歳で老中に

文政2年(1819年)、伊能忠敬の「大日本沿海輿地全図」が完成する2年前に安藤信正は、磐城平藩の第4代藩主・安藤信由の嫡男として磐城平藩の江戸藩邸で生まれました。幼名は欽之進、後に欽之介。元服時の初名は信睦(のぶゆき)、老中在職中に信行(のぶゆき)、さらに安藤信正へと改名しています。

天保6年(1835年)3月15日、11代将軍・徳川家斉に御目見します。この御目見とは、江戸時代に大名や旗本が将軍に直接拝謁することでとても光栄なこと。これを経て、同年12月16日、従五位下・伊勢守に叙任します。なお、従五位下を少し説明すると武家官位で通常なら初官になるもの。その後、従四位下、侍従と昇進します。補足ですが、近代以前の日本における位階制度では、従五位下以上の位階を持つ者が貴族とされています。とにかく、五位下・伊勢守に叙任した後に長門守、対馬守と改めます。

安政5年(1858年)8月2日、寺社奉行加役を経て、いよいよあの井伊直弼(当時大老)の下で若年寄となります。安政7年(1860年)に順調に老中となりますが、この直後で桜田門外の変で直弼が暗殺されます。

 

<江戸時代の職名>
*時代などによって違いがあります。あくまでイメージを掴むものとしてご確認ください

大老  徳川家の血縁者で信頼の厚い者が政務へのアドバイザーを行っていたのを役職化したもの
老中  江戸幕府の政治全般を取り仕切る最高責任者
若年寄 中に次ぐ重職で、旗本および老中支配以外の諸役人を統轄

 

桜田門外の変をきっかけに名を馳せ、坂下門外の変で避難される

安藤信正の名が広まったのは大老・井伊直弼が桜田門外で暗殺された桜田門外の変。井伊直弼亡き後に、老中・久世広周(くぜひろちか)とともに幕政を掌握、最高権力者に昇りつめました。

主な功績として江戸幕末期における外交問題の両都両港開市開港延期問題での手腕が取り上げられます。これは、江戸幕府が安政五カ国条約(アメリカ・オランダ・ロシア・イギリス・フランスの5か国と締結した条約)によって江戸・大阪(両都)の開市と新潟・兵庫(両港)の開港を約束していたものの、国内諸事情によってそれを遅延せざるをえなくなった問題。国内の諸事情とは主に、欧米との金銀交換率の差に端を発する激しいインフレーション、攘夷運動などによって、国内問題の山積。さらに、朝廷は大坂開市と兵庫開港に猛反発など挙げられますが、いずれにせよ幕府は期日通りの開市開港は「無理」と諸外国に開市開港延期を申し出るもののこれ反対。ここで活躍したのが安藤信正で、列国側に説得して延期に成功したのです。

そして、公武合体、(伝統的権威=朝廷と、武=幕府及び諸藩を結びつけて幕藩体制の再編強化をはかること)の実を挙げるべく、文久2年(1862年)に、孝明天皇の皇妹和宮親子(かずのみやちかこ)内親王と徳川十四代将軍家茂との婚儀を取りまとめました。しかし、ここで悲劇が。同じく文久2年に今度は、安藤信正自信が江戸城坂下門外で水戸浪士に襲撃された坂下門外の変が発生しました。幸い負傷で済んだものの、非難を受け、その後老中を免ぜられ、隠居。井伊直弼に続く幕府要人の襲撃事件として知られています。さらに幕威の低下を招く要因ともなりました。

なお、意外に知られていない逸話ですが、戊辰戦争では、若い藩主に代わり藩を主導、奥羽越列藩同盟に加わり、新政府軍と戦い敗れたいうエピソードがあります。晩節を汚したかに見えたが、明治維新後、永蟄居処分が解かれています。

 

まとめ 「安藤信正」の歴史、文化的な価値、魅力とは?

冒頭でお伝えした歌碑にはこのように記されています。

志ばしとて雨宿りせむかひぞなく こころもぬるる山毛欅の下かげ

激動の江戸末期において諸外国との調整、調停などを図り、近代化の礎となった安藤信正。賛否両論あったとはいえ、幕府の要職を務め、そこで行ってきた功績を非常に大きいと言えるでしょう。もし、安藤信正に興味をもったら、他にも井伊直弼や坂下門外の変など関連記事もありますのでぜひ、一緒にご覧になってくださいね。

 

まとめ

・江戸末期に激変する日本の国内外の政治に優れた手腕を発揮した福島出身の大名である

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ふかしま。編集部
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