一本の立木から彫り上げられたと伝わる日本最大級の立木仏「立木観音」

2021.01.26
歴史 #会津#会津ころり三観音#史跡#立木仏#立木観音

仏都会津にはたくさんの仏像がありますが、その中のひとつに一本の巨大な立木から彫り上げられたという立木観音があります。会津ころり三観音のひとつとしても知られています。今回は、その立木観音についてお伝えします。

 

立像としての大きさだけじゃない!圧巻の立木観音

立木観音には大きな特徴がいくつかありますが、まず触れておきたいのがその大きさと制作方法です。仏像の高さが約7.5m、台座を含む総高は約8.5mとビルにすると2~3階という大きさです。日本最大級の大きさも圧巻ですが、さらに目を見張るのは根を張ったままの一本の木、つまり立木の状態から彫り上げたと伝えられていることにあります。数ある一木造の中でも立木からというのは全国的にも珍しいといわれています。

その8mを超える立像を完成させたとされているのは弘法大師(空海)ですが、一説には徳一(とくいつ)ではないかともいわれています。平安初期の808年に作られたとされ、真の作者の是非もあるかもしれませんが、どちらにしても相当な巨木にかなりの労力を費やして仕上げられたという点に注目をしたいところです。

立木観音の正式名称は「木造千手観音立像」で、国の重要文化財に指定されています。脇侍として二十八部衆や風神、雷神を従えるその姿には引き込まれるものがあります。この二十八部衆や風神、雷神も国の重要文化財(「木造二十八部衆立像・風神・雷神共」)です。

会津三十三観音の三十一番目の札所でもある真言宗金塔山恵隆寺(きんとうさんえりゅうじ)の立木観音堂で参拝することができます。立木観音堂も国の重要文化財ですので、立木観音にお参りすれば重要文化財を3つも見ることができるという点でも、足を運ぶ価値があるでしょう。観音堂にはだきつき柱があり、だきついて願いごとをすると叶うとされていますので、なおさらですね。

 

ころりとは?会津ころり三観音のひとつでもある立木観音

立木観音には、もうひとつの顔があります。会津ころり三観音のひとつという一面です。ころり三観音とは、鳥追観音、立木観音、中田観音で、この「ころり」はころりと成仏するためとも願いごとがころりと叶うようにするためともいわれています。

鳥追観音は、正観音をご本尊とする三十三観音の番外札所、真言宗金剛山如法寺です。仏都会津の開祖徳一によって開かれ、東から西へと参拝する形式で西方浄土を表現しています。江戸時代の名匠左甚五郎作の隠れ三猿もみどころのひとつです。

中田観音は、三十番札所、曹洞宗普門山弘安寺です。ご本尊は銅造十一面観音で、脇侍の不動明王、地蔵菩薩に加え旧観音堂の厨子とともに国の重要文化財に指定されています。また、野口英世の母シカが熱心にお参りをしたことでも知られています。

ころり三観音には、人間の三毒といわれる貪瞋痴(とんじんち)に向き合い、一生健康で安らかに往生したいという、いつの時代の人々にとっても共通の願いが寄せられます。ぜひそのような気持ちで三観音をお参りしてみてください。

 

まとめ 「立木観音」の歴史、文化的な価値、魅力とは?

全国的にも珍しいとされる巨大な一本の立木から完成にいたった立木観音。その大きさは国内最大級です。平安初期作という古像でもあり、脇侍や観音堂も国の重要文化財に指定されています。また、会津ころり三観音のひとつとしても知られ、長きにわたって参拝客を集め続けています。

 

「立木観音」の歴史、文化的な価値、魅力

・立木観音は、立木のままで彫り上げられたという珍しさと国内最大級の大きさが特徴
・会津ころり三観音のひとつとしてころり信仰を支えている

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