世界唯一のざさえ?ミシュラン・グリーンガイドなどが認めた「さざえ堂」

2021.01.26
歴史 #さざえ堂#グリーンガイド#ミシュラン#史跡#木造建築物#飯盛山

会津には世界唯一のさざえならぬ「さざえ堂」があります。ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンをはじめとして、国の重要文化財や文化庁の日本遺産にも認定されるその文化的価値についてお伝えします。

 

世界にひとつだけ!誰ともすれ違わない二重らせん構造の木造建築物

まるでさざえのような構造や外観からさざえ堂と呼ばれている仏堂の正式名称は「円通三匝堂(えんつうさんそうどう)」です。1796年、白虎隊で知られる飯盛山の一角に建立されました。その当時にあった正宗寺(しょうそうじ)の住職郁堂(いくどう)による発案だったとされています。

唯一無二という存在の理由は、現存するたったひとつの二重らせん構造の木造建物だから。上りと下りで人と人とがすれ違うことのないように、2つの階段(スロープ)がらせん状に配置されています。入り口から一回転半で最上階へとたどり着き、同じく一回転半して出口へと向かいますが、その間に対面する人がいないように配慮されている設計です。

屋根もらせん状に張られていることから、外観からもその構造が分かります。建物は六角三層で、高さは16.5mとビル3~4階相当です。年月を重ねた木材のくすみ具合や屋根の青銅色という色合いも貝殻の色を思い起こさせますし、最上部の相輪と合わせてみると本当にさざえのよう!

このように親しみやすいさざえ堂は、江戸中期から後期にかけて、関東から東北にわたり数多く建立されたといわれています。ほかにも現存しているさざえ堂はいくつかありますが、木造二重らせん構造のさざえ堂は世界にたったひとつ、会津のものだけです。明治維新後の廃仏毀釈で正宗寺は廃寺となりましたが、このさざえ堂は生き残りました。

これがミシュラン・グリーンガイド・ジャポンのひとつ星をはじめとして、国の重要文化財や文化庁の日本遺産に指定される理由です。各種メディアに取り上げられるのも、それほどまでに独特で貴重だからということですね。

 

さざえ堂が建立されたのは人々の信仰を支えるためだった

さざえ堂がらせん状の構造を取っているのには、もちろん理由があります。堂内をひと回りすることで、略式のお参りができるようになっているからです。お堂の中にはかつて西国三十三観音が安置され、仏教の礼法のひとつ右繞三匝(うにょうさんぞう)に従って、3回右回りをすることで観音巡礼ができるとされていました。

会津にも三十三観音巡礼の札所がありますが、さざえ堂はそれを1か所にまとめたものです。巡礼、特に西国への長旅というものが多くの人々にとって一生の夢だったような時代に、1回で観音巡礼ができる場所があったことは、人々の心の安らぎの場として大きな役割を果たしていたことでしょう。

残念ながら、現在お堂の中に三十三観音はありません。廃仏毀釈によって三十三観音は取り除かれ、その後は白虎隊十九士の霊像が安置されました。その白虎隊十九士の霊像も宇賀神堂へ移され、現在では会津藩八代藩主松平容敬(まつだいら かたたか)が編纂した「皇朝二十四孝」の教えが掲示されています。

塔内の窓からは会津の街並みを見渡すことができます。その景色の中には、白虎隊十九士が祀られる宇賀神堂や戸ノ口原で敗れた白虎隊士が飯盛山まで戻るために通ったという戸ノ口堰洞穴を見つけることもできます。さざえ堂にもゆかりがありますので、ぜひ立ち寄られてみてはいかがでしょうか。

 

まとめ 「さざえ堂」の歴史、文化的な価値、魅力とは?

世界広しといえどもたったひとつという、ほかに代えがたい文化的な価値がさざえ堂にはあります。白虎隊で有名な飯盛山にありますので、ぜひ参拝していってくださいね!

 

「さざえ堂」の歴史、文化的な価値、魅力

・現存する世界でたったひとつの二重らせん構造を有する木造建築物
・数あるさざえ堂の中でも、その外観がもっともさざえに近い
・西国三十三観音の巡礼を一か所に集約させた人々の祈りの場

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