会津の誇りを世に知らしめた幕末の女傑「新島八重」

2021.01.26
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会津藩に生まれた新島八重(にいじまやえ)は、幕末から明治、昭和初期を駆け抜け、時代の先駆者となった人物です。新島襄の妻として同志社大学の設立を支え、夫・襄が永眠した後は日清・日露戦争に篤志看護婦として従軍、勲七等宝冠章が授与されました。時代に翻弄されながらも多くの功績を残し、NHK大河ドラマの主人公にもなった新島八重についてお伝えします。

 

幕末から明治、昭和初期を生き抜いた新島八重

新島八重は、1845年、幕末の会津藩・砲術指南役の山本家に生まれました。男勝りで負けず嫌いの八重は砲術に興味を持ち、文武の才覚に秀でた兄・覚馬からその操作方法を学びます。戊辰戦争の最終局面となる会津戦争では、鳥羽伏見の戦いで命を落とした弟・三郎の遺品を身に着け男装、断髪をして鶴ヶ城籠城戦を迎えます。迫り来る新政府軍を相手にスペンサー銃で応戦し、後に幕末のジャンヌ・ダルクと呼ばれるようになりました。白虎隊に砲術指南したのも八重といわれています。

18歳の時に結婚した夫・川崎尚之助とともに必死に戦いますが、新政府軍の圧倒的な戦力に及ばず、1868年に会津藩は降伏。父・山本権八を失い、夫である直之助とも離れ離れになってしまいます。失意の中、新政府軍を相手に戦ったことから逆賊と呼ばれ、時代の変化を感じた八重は銃を捨てる決意をしました。

1871年、京都守護職に就いていた兄を頼って上洛、明治初の女子教育機関「女紅場(にょこうば)」に教職を得て働き始めます。このころ新島襄と知り合い、キリスト教に基づいた人材教育機関の設立を目指す襄を支えます。1875年には同志社英学校(後の同志社大学)を設立、キリスト教の洗礼を受け襄と結婚しますが、それは京都で初めてのキリスト教式の結婚式でした。このとき、襄32歳、八重は30歳。

背が高く洋装が様になる襄と和装に帽子、ハイヒールという八重。男女の平等を望む八重は、夫を「ジョー」と呼び、夫よりも先に車に乗るなど、当時の人々からすると驚くことをやってのけました。中には八重を悪妻と評する人もいましたが、2人はレディファーストを貫きます。結婚生活を終えたのは、襄に先立たれた1890年でした。

襄の死後、八重は日本赤十字社の正社員(会員)になり、奉仕活動に勤しみます。日本赤十字社京都支部の篤志婦人会員にもなり、ここで看護を学びました。

1984年、日清戦争では看護婦取締として活動、この功績が認められ1896年に民間の女性として初めて勲七等宝冠章を受章しました。1904年、日露戦争でも篤志看護婦として従軍、日本兵だけでなく負傷したロシア兵の看護もしたことが高く評価され、勲六等宝冠章を受章しました。このことから「日本のナイチンゲール」と呼ばれるようになります。

八重が生涯を終えたのは1932年、86歳のときでした。葬儀には何千人も参列したと伝わります。

 

女性の社会的地位向上に大きく貢献した新島八重

女だてらに砲術を身につけ、夫とともに鶴ヶ城で新政府軍を相手に応戦、銃を向けたこと。徳川将軍家に忠誠を尽くす会津藩にしたがい懸命に戦って敗れ、逆賊と指をさされたこと。明治初の女子教育機関で教鞭を執ったこと。国禁を犯して渡米した新島襄と同志社英学校を設立したこと。京都で初めてキリスト教式の結婚式を挙げたこと。当時としては珍しい洋装を取り入れた和装や徹底したレディファースト。女が戦争に行くなといわれた時代に看護婦として従軍したこと。その功績が評価され、2度も宝冠章を受賞したことなど、八重にはさまざまな出来事があります。

どれを功績とし、功績ではないとするのかについては議論の余地があるでしょう。しかし、八重から学ぶことは、たくさんあります。生涯にわたり、世間から求められる「女性だから」という常識や価値観に立ち向かい続けました。「ならぬものはならぬ」という会津の教えは、裏返すと「いいものはいい」と認めるという考え方とも解釈できます。そのようにして生き抜いた八重の生き様そのものが、もっとも大きな功績といえるのではないでしょうか。

 

まとめ 「新島八重」の歴史、文化的な価値、魅力とは?

新島八重は幕末から明治、大正、昭和と時代がめまぐるしく変化する中を会津藩の教えと自分の信念に基づいて駆け抜けた人物です。生涯にわたり女性の社会的地位向上に努めたことは、大変大きな功績といえます。

 

「新島八重」の歴史、文化的な価値、魅力

・会津戦争下、鶴ヶ城という戦場でスペンサー銃を手に新政府軍と戦った
・新島襄とともに同志社大学の前身・同志社英学校を設立
・日清・日露戦争に篤志看護婦として従軍、その働きが認められ宝冠章を2度受賞した

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