凶賊「橘墨虎」を討伐、白狼を神として祀った山津見神社

2021.01.25
飯館村 #寺社仏閣#山津見神社#御眷属様#橘墨虎#源頼義#飯舘村

永承6年(1051年)に建立された、虎捕山に鎮座する山津神神社。この神社で祀られているのは驚くことに狼。狐でも犬でもなく、狼となったのには理由があります。そこには源頼義にまつわる山の神のお告げと悪者討伐という歴史的な出来事がありました。一体どのような内容だったのでしょうか?

 

源頼義が収めた、里を荒らし、民を苦しめる凶賊、橘墨虎の討伐と白狼のお告げ

山津見神社は山の神を祭る神社で、山神は山仕事の守護、および農業の守護、産業守護などを司ります。また、山津見神社の眷属は白狼であり、御眷属様と呼ばれて信仰の対象となっています。御眷属の狼は、火伏せ、また盗賊除けの力があると信じられています。また、道案内をしたという伝説から道中の安全を守るお使いと信じられています。転じて交通安全の守りとなり、現在では山津見神社の交通安全ステッカーに白狼の姿を見ることができます。

麓の拝殿は明治時代の建設で、拝殿天井には二百を越えるさまざまな姿の狼画が描かれています。本殿は、拝殿から約三十分の山頂にあり、険しい岩山を鎖と鉄梯子に頼って登ります。山頂の本殿は年に一度、旧暦の十月十六日に御開帳されます。

 

蘇ったオオカミ絵。そして焼失直前の奇跡

「御眷属様」には火盗災難を除く力があるといわれていますが、平成25年(2013)4月、山津見神社に悲劇が起こります。夜半に発生した原因不明の火災によって、拝殿が焼失してしまったのです。そのとき、宮司の婦人も亡くなってしまいました。

奥宮本殿はかろうじて火災の難を免れましたが、拝殿の火災によって、明治37年(1904)頃に旧相馬中村藩の絵師であった伏見東州らが描いたとされるオオカミの天井画が失われてしまいました。現在見ることができるのは東京芸術大学の学生たちによって復元されたもので、失われた237枚に新たに5枚の図案を追加して242枚となっています。

実は、この復元にはひとつの奇跡がありました。火災が起きるひと月前のことです。ニホンオオカミの絶滅について研究している和歌山大学の加藤久美教授が山津見神社を訪れ、同大学の特任助教であるサイモン・ワーン氏とともに記録撮影を行っていたのです。

ふたりは、それぞれ異なる表情と姿態を持つ237枚の絵を、すべて写真に収めていたそうです。その後、写真を届けるため再び神社を訪れようとしたふたりは、数日前にあのオオカミ絵が焼失してしまったことを知ったのです。撮影のタイミングはまさに奇跡的でした。おそらくふたりは、そこに神の不思議な導きを感じたことでしょう。

「火災で亡くなった宮司婦人の意思を継ぐ意味でも、地域のみなさんの力になりたかった」
加藤教授とサイモン助教は、失われたオオカミ絵の復元にあたり、撮影した写真を提供。これが貴重な資料となり、復元されたオオカミ絵が平成28年(2016)に収められました。

 

山津見神社を訪れたらあわせて足を運びたい観光・歴史スポット

山津見神社の周りには、飯舘村の豊かな自然あふれる湖や山、地域ならではの特産品などが買える道の駅や伝統芸能が楽しめる文化的催しなど、見所や観光名所がたくさんあります。ここでは自然あふれるスポットや村の魅力がわかる道の駅をご紹介しましょう。

 

上下の渓谷の自然や釣りが楽しめる飯舘村の生活を守るダム

真野川エリアの開発の一つとして、上流の相馬郡飯舘村の松ケ平に造られた多目的ダム「真野ダム」。バス釣りが楽しむことができるほか、新緑や紅葉が楽しめる自然豊かな場所として、飯舘村の数ある観光名所のうちの一つとなっています。

 

真野ダム
営業時間:9:30~16:30
定休日:土・日・祝
住所:福島県相馬郡飯舘村大倉
アクセス:福島駅から車で70分

 

杉と花の香りに癒される道の駅 いいたて村までい館

施設全体に杉材を使用し、寛ぎの空間を演出している道の駅「までい館」。ホールに足を踏み入れると、約80個の花玉が迎えてくれます。これはまでい館を訪れる人に対する、おもてなしの思いが込められているのだそうです。館内には飯舘の日本酒や牛ソーセージなどの名産品のほか、ソフトやラーメンなどが食べられるレストランがあります。

 

いいたて村 までい館
営業時間:9:30~17:30(11月~2月) / 9:00~18:00(3月~10月)
定休日:水
住所:福島県相馬郡飯舘村深谷字深谷前12-1
アクセス:山津見神社から5.5km

 

ご当地牛の味覚を堪能「いいたてミートプラザ」

阿武隈高原の北側にある飯舘村では、広大な自然の中で育てた黒毛和牛「飯舘牛」が有名。肉が柔らかく、旨みがある肉として全国でも知られており、福島土産としても人気です。販売している部位は精肉・ホルモンなどのほか、キムチなどもあるそうです。

 

JAそうまいいたてミートプラザ
営業時間:9:00~17:00
定休日:火
住所:福島県相馬郡飯舘村草野字大師堂1
アクセス:東北道福島西ICよりR114、県道原町川俣線経由、原町方面へ55分

 

まとめ 「山津見神社」の歴史、文化的な価値、魅力とは?

山神のお告げにより、凶賊の墨虎成敗ができた源頼朝が虎捕山に建てた祠がその始まりと言われています。山と御眷属(ごけんぞく)の白狼様ではそれぞれに司るものが異なりますが、飯舘村の護り主として、今でも大切に祀られています。

 

まとめ

・橘墨虎(たちばなのすみとら)という凶賊の討伐後虎捕山頂に祠を立てたことが始まり
・山神より「白狼をつかわす」とお告げがあった
・山神は仕事や農業、産業などの守護を司り、白狼は交通安全を司る

ふかしま。
レビューの平均:  
 0 レビュー

レビュー投稿
1
2
3
4
5
送信
     
キャンセル


レビュー投稿

ふかしま。編集部
ふかしま。編集部