原発被災地でブックカフェを経営!南相馬市在住の作家・柳美里ってどんな人なの?

2021.01.26
文化 #フルハウス#ブックカフェ#南相馬市#文化#柳美里#芥川賞

数々の賞を受賞し今も活躍が目覚ましい作家・柳美里。その活動は幅広く、ファンの方も多いと思います。彼女は南相馬市に住み、福島に深いゆかりのある人物です。そして現在、南相馬市で自宅を改装したブックカフェを営んでいることをご存じでしょうか。なぜブックカフェをはじめたのか、そして彼女はどんな経歴の持ち主なのか。今回は柳美里を詳しくご紹介します。

 

若くから数々の賞を受賞!柳美里の波瀾万丈な経歴とは

柳美里は1968年神奈川県で生まれました。名前の読み方は「やなぎみさと」ではなく「ゆうみり」。これは韓国にルーツを持つ彼女の本名です。
1983年高校1年生のとき、いじめにあい学校を退学。劇団に入り女優として活動します。1987年のときには自分で劇団「青春五月党」を旗揚げ。劇団名は、檀一雄の『小説太宰治』に登場する名前に由来するといい、少女期から文学少女であったことをうかがわせます。
翌年『水の中の友へ』で劇作家・演出家としてデビュー。次々に演劇作品を発表し、1993年に『魚の祭』で「演劇界の芥川賞」と呼ばれる第37回岸田國士戯曲賞を最年少で受賞します。この公演は観客動員2万人以上の大ヒットとなりました。
1994年に雑誌「新潮」に処女小説『石に泳ぐ魚』を発表し、小説家としての道も歩きだします。1996年に発表した『フルハウス』が泉鏡花文学賞と野間文芸新人賞を受賞。柳の代表作となりました。そして1997年に『家族シネマ』でついに第116回芥川賞を受賞します。
その後もコンスタントに作品を発表を続けながら、ラジオのパーソナリティを務めるなど活動の幅を広げていきます。2020年には『JR上野駅公園口』で、アメリカで権威のある文学賞、全米図書賞の翻訳部門を受賞しました。
彼女の作品には「家族」や「死」がテーマのものが多くあります。壮絶な自伝的小説もあることから、その波瀾万丈な生い立ちや生き方が注目されがちですが、彼女自身は気性の荒い人ではありません。むしろ彼女の気遣いや真摯な姿勢は、多くの人の胸を打っています。その最たる活動が、ブックカフェなのです。

 

地元に交流場所を作りたい!南相馬市にブックカフェ開設

2015年柳は鎌倉市の自宅を売却し、南相馬市に移住します。いわゆる原発被災地で、約5年もの間、人が住むことができなかった地域です。2012年から臨時被災FMの番組を担当し、地元のひとたちの声を聞いていましたが、地元の人たちの悲しみや辛さは現地にあり、自分が離れた安全な場所で暮らすことに違和感を覚えたからです。
2017年に南相馬市小高区で高校が再開します。柳はその高校の校歌の作詞を担当しました。けれどもその頃の小高駅周辺は、まだ震災前の1/4ほどしか人々が戻っておらず、生徒たちが電車を待つ間の溜まり場もありません。そこで、ブックカフェを経営することを思い立ちます。
本屋は儲からない、と周囲から反対の声も上がりましたが、クラウドファンディングを立ち上げ、自宅を改修しカフェスペースを増築。2018年に代表作「フルハウス」の名を冠したブックカフェをオープンしました。地元の人はもちろん、柳のファンや被災地を訪問する県外からの客も増え、大事な交流の場になっています。
2017年からは演劇活動も再開し、南相馬市にアトリエ「La MaMa ODAKA」を開設。福島で公演を続けています。
作家活動にも福島での暮らしは大きな影響を与えています。全米図書賞を受賞した『JR上野駅公園口』は南相馬市出身のホームレス男性が主人公。都心での労働搾取や地元の困窮を身近に感じたからこそ書けた作品でしょう。
柳美里は福島に深く心を寄せ、また復興のために行動しています。その信念を貫く姿は、南相馬市の人々にも愛され、また多くの人々の心を打っています。

 

店名  :フルハウス
住所  :福島県南相馬市小高区東町1-10
営業時間:11:00~18:00
定休日 :日・月曜

 

まとめ 「柳美里」の歴史、文化的な価値、魅力とは?

「世界一美しい場所を創る。」をコンセプトに、作家活動のかたわら福島でブックカフェを営む柳美里。多くの活動で、真摯に多くの人に南相馬市のことを伝えています。ブックカフェは南相馬市のことを知る大事なスポットとなって、地元の人々からも愛されています。皆さんもぜひブックカフェ「フルハウス」を訪れてみてください。

 

「柳美里」の歴史、文化的な価値、魅力

・若いときから数々の賞を受賞し作家として幅広く活動
・南相馬市に移住しブックカフェを開業し、地元の大事な交流スポットとなっている

 

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