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2021.03.09
今にも敗れてしまいそうな薄い皮と、そこから透けて見えるほどギュッと詰め込まれた薄皮饅頭。福島には数多くの銘菓を生み出した和洋菓子の銘店が数多く存在していますが、中でも饅頭といえば柏屋。今回はそんな柏屋の美味しさの秘密、そして薄皮饅頭の歴史について知ってみましょう。
日本の誇る和菓子の一つといえば「饅頭」ですが、みなさんは饅頭の事はじめをご存知でしょうか。まずは中国のマントウや包子(パオズ)が変化して日本へ。そして和菓子の饅頭は禅宗のお茶と食べるお菓子として本来は肉を入れる饅頭に小豆を入れたとされる説、中国で学問を学んだ僧侶がお世話になった茶屋の主人に教えたという説など、その由来には諸説があります。
地域によってもその伝わり方は様々だったようですが、柏屋では三国志の武将で知られる諸葛孔明(しょかつこうめい)が戦のときに荒れ狂う川の怒りを鎮める供物として作られたという説が伝わっています。伝来当初はやはり肉まんじゅうだったそうですが、先に輸入された砂糖と、中国・宋からの技術の伝来などによって、私たちがよく知るところの饅頭ができたのだそうです。
柏屋の薄皮饅頭が生まれたのは、そこからさらに500年後の嘉永五年(1852年)。初代店主の本名善兵衛(ほんなぜんべえ)が、「病に薬がいるように、健やかなものに心のなごみがいる」との思いから始まったと言われています。「おやつは心の栄養」と言いますが、それは今も昔も変わらないのですね。本名善兵衛は、その思いを胸に皮が薄く、餡がたっぷり入った饅頭を考案し、奥州街道郡山宿の薄皮茶屋で出すこととしました。それがあの薄皮饅頭の始まりでした。
饅頭の底を見ると、餡がうっすらと透けて見えるほどの薄い皮と、隙間がないほどにぎっしりと餡が詰まった独自のスタイルを持つ薄皮饅頭。当時の東北地方では、こうした皮の薄い饅頭は珍しいものでした。一度食べたら忘れられないその味は、奥州街道を通る旅人の間でも評判となり、わざと遠回りして饅頭を食べにくる人もいたほどの道中名物となりました。
饅頭の命である餡は、厳選された小豆を使用し、柏屋の職人が代々受け継いできた伝統の製法でじっくりと煮込んで丁寧に仕上げていきます。すっきりとした上品な甘さと滑らかな舌触り、口溶けの良さが後をひく「こしあん」から始まった薄皮饅頭ですが、お客様からの要望が大きくなり、1986年に「つぶあん」が登場。
小豆本来の甘みと旨みを生かし、程よい甘さとしっかりとした食べ応えを感じる「つぶあん」を包む皮の厚さは、こしあんの皮とは異なるのだとか。それぞれの餡と皮との味わいや食感のバランスを考えて配合を変える職人の技に、美味しさへの並々ならぬこだわりが感じられますね。
160余年を過ぎた現在は、奥州街道のみならず岡山の「大手まんぢゅう」、東京塩瀬総本舗の「志ほせ饅頭」と並んで日本の三大饅頭のひとつとして君臨する福島の薄皮饅頭。公式サイトでは冷やしたり、温めたり、揚げたりと、おすすめの食べ方を紹介していますが、まずはやはりシンプルな「そのまま」を味わっていただくことをお勧めします。
店舗名:柏屋本店
ジャンル:和菓子
住所:福島県郡山市中町11-8
営業時間:10:00~19:00
定休日:無休
福島を代表する和菓子「薄皮饅頭」。薄皮と餡との関係、そして福島の地でこれだけ薄皮饅頭がベストセラーになった理由、お分かりいただけたでしょうか?催事以外ではなかなか買えないほか、店頭で買う饅頭は鮮度も良いので一味違います。福島からの帰りにはぜひ大切な人への贈り物としてもおすすめです。
・福島を代表する銘菓、奥州街道の旅人に愛された薄皮饅頭
・長年培った伝統と職人の腕による餡へのこだわり。上品な甘さと薄皮の技術
・日本三大饅頭として全国でも有名
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