福島県出身の芥川賞受賞者はどんな人がいるの?文豪たちの素顔を知ろう

2021.01.25
その他 #中山義秀#作家#室井光広#東野辺薫#玄侑宗久#福島県の芥川賞受賞者

日本の文学史を語る上で欠かせない賞のひとつである「芥川賞」。ご存じ芥川龍之介の名前を冠したこの権威ある賞は、160回を越えた今でも登竜門として新人作家の憧れのひとつです。受賞者には遠藤周作、松本清張など名だたる作家が並びますが、福島県出身の作家ももちろん受賞しています。どんな人たちが、どんな作品で受賞しているのでしょうか。みていきましょう。

 

芥川賞ってどんな賞?直木賞との違いは?

そもそも芥川賞とはどんな賞でしょうか。直木賞との違いはなにか、改めて確認してみましょう。
数ある文学賞のなかでも圧倒的な知名度を誇る、芥川賞。読書好きはもちろん、本をあまり読まない方でも、毎年2回受賞者の発表があるのをニュースなどで見たことがあると思います。最近では、芸人の又吉直樹さんの「火花」が受賞したことでも話題になりましたね。正式名称は芥川龍之介賞。創設者は文藝春秋の創刊者である菊地寛です。盟友であった芥川を偲んで付けられました。ここで芥川賞を語る上で有名なエピソードをひとつ。芥川に憧れ尊敬していた太宰治は、この賞を取りたくて取りたくて仕方なかったのですが、あえなく落選。その選考委員だった川端康成の選評に激怒した、という逸話が残っています。芥川賞にはこういった文豪にまつわるエピソードがてんこもりなのも魅力のひとつです。

芥川賞の対象となる作品は、短編か中編の純文学。純文学とは芸術性や形式を重んじる小説のことで、文章の美しさや技巧、表現の多彩さなどが評価される小説です。また対象になる作家は無名や新人に限られており、このことから新人作家の登竜門と言われているのです。

同時期に設立されたのが直木三十五賞、通称直木賞。こちらで対象となる作品は、大衆小説。技巧よりも娯楽性が重視される、エンタメ作品が対象です。長さも短編から長編まで幅広く、また作家も中堅まで選考対象のため、腕の確かな中堅作家が受賞することも多い賞です。

芥川賞を受賞することで、作家として認められていく大きなきっかけになります。福島出身の作家ではどんな人が受賞しているのでしょうか。

 

福島を舞台にした作品多数!地元を愛した福島出身の受賞者

福島県出身初の芥川賞受賞者となったのは、中山義秀です。西白河郡大屋村、現在の白河市に生まれた中山は、38歳のとき『厚物咲』で第7回芥川賞を受賞しました。こちらの作品の舞台は岩瀬郡長沼町、現在の須賀川市です。芥川賞を受賞するまで無名の時期が長く、英語教師として働きながらの執筆でした。受賞後、幕末時代や戦国武将を主役にした、歴史小説を多数執筆しています。1993年にはその功績を残すため、出身地の白河市に中山義秀記念文学館が設立。また歴史、時代小説を対象とした中山義秀文学賞も創設されました。いまでも地元に愛される文豪です。

2人目は二本松出身の東野辺薫。1944年に『和紙』で第18回芥川賞を受賞しました。作品の舞台となったのも、やはり福島。安達町上川崎の紙漉き集落です。選考委員の横光利一に「美しい作品である」と高い評判を得ました。中学や高校の教師で、会津や保原、福島商業を歴任しました。地元で後進を育てることにも尽力し、のちに福島県文学会会長も務めました。最期まで福島を愛した作家です。

3人目は南会津郡下郷町生まれの室井光広です。『おどるでく』で第111回芥川賞を受賞しました。生まれは農家ですが、頭が良く慶應義塾大学を卒業。大学図書館で働いたり予備校で英語教師をしながら創作をしていました。『おどるでく』はロシア文字など言葉がひとつのキーワードになる作品ですが、このなかに会津方言も出てきます。受賞後は大学で講義を担当していましたが、2011年の東日本大震災をきっかけに執筆活動を終了し、翌年文学塾てんでんこを立ち上げました。東北を深く愛した作家でした。

そして現在も活躍する作家が玄侑宗久です。作家でありなんと僧侶という異色の受賞者です。田村郡三春町にある福聚寺に生まれ、住職となりました。学生のころから小説を書きはじめ、2001年に『中陰の花』で第125回芥川賞を受賞しています。震災以後、震災に関する作品も多数執筆。住職業のかたわら、いまも積極的に執筆活動を続けています。

 

まとめ 「福島県の芥川賞受賞者」の歴史、文化的な価値、魅力とは?

80年以上続く由緒ある文学賞である芥川賞。福島出身の受賞者の作品には、地元である福島を舞台にしているものも多くあります。その珠玉の作品たちは、福島でないと生まれなかったと言っても過言ではありません。彼らの作品をぜひ手に取って、作品を通して福島を感じてください。

 

「福島県の芥川賞受賞者」の歴史、文化的な価値、魅力

・純文学の登竜門である由緒ある芥川賞を受賞することをきっかけに文壇で認められるようになる。
・福島出身の作家は、福島を舞台にした小説を多く書いている。
・作品を通して福島に触れ、興味を持つようになる。

ふかしま。
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