芥川龍之介よりも人気だった!?大正、昭和を代表する文豪・久米正雄ってどんな人?

2021.01.26
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小説家・久米正雄を知っていますか。あまり聞いたことがないと思われる方もいらっしゃるかもしれません。実は芥川龍之介とならぶ昭和、大正を代表する文豪です。「微苦笑」という言葉を作ったことでも有名。彼は少年時代を郡山で過ごしました。どんな作品を書いたどんな人だったのか、今回は久米正雄の生涯をご紹介します。

 

俳句で才能が開花する!夏目漱石の門下にもなった久米正雄の生涯とは?

久米正雄は1891年長野県で産まれました。6歳のとき父親が自刃してしまうという大事件が起き、そのため一家は母親の実家のある福島県安積郡桑野村、現在の郡山市に引っ越しました。
中学生のとき俳句に出会います。徐々にのめりこみ、学校の教頭や国語教師に教えられ、俳人としての才能を開花させていきます。俳号は「三汀(さんてい)」といい、中学校の在学中に「笹鳴吟社」を結成、また教員たちの集まりの句会にも参加し、将来を嘱望されるまでになりました。この頃桑野村に俳人、正岡子規や河東碧梧桐が訪れて、強い影響を受けます。久米はいまの東京大学の前身である、第一高等学校に推薦合格。上京し、河東碧梧桐の門下に注目されていきます。
1915年に夏目漱石の門人となりました。門下生のメンバーは芥川龍之介、菊池寛などそうそうたる面子。翌年彼らは第四次「新思潮」という同人誌を刊行。文学史における大正文学の拠点となり、このときの創刊メンバーはのちに「新思潮派」と呼ばれるようになります。久米は戯曲『牛乳屋の兄弟』を発表し高く評価され、劇作家も志すようになりました。
漱石の死後、久米は漱石の娘筆子に恋をし結婚を申し込みましたが、筆子は同門の松岡譲のことが好きで、松岡と結婚してしまいます。久米は大変ショックを受け、5年後の1922年に小説『破船』を書き始めます。自身の失恋事件をモチーフにしたこの作品はたちまち人気を博し、久米は文壇での地位を確立しました。作風は、こうした自分の体験をもとに物語を作り込む「心境小説」と呼ばれるもの。久米はこの手法で真の芸術を目指していたといいます。
久米は次々に作品を発表。さらに後の毎日新聞の学芸部長に就任し、様々な文芸雑誌の創刊にも関わりました。1952年、60歳で亡くなるまで精力的に活動していました。

 

大正モダンな「文士の館」!当時をそのまま感じられる「久米正雄記念館」

久米正雄の記念館は、少年期を過ごした郡山市の「こおりやま文学の森資料館」の敷地内にあります。モダンな木造家屋は、久米が終の棲家として鎌倉市で過ごした私邸です。2000年に、ゆかりの地である郡山に移築されました。2階建ての邸宅で、正面は白い洋風、裏側は和風の和洋折衷の造り。絨毯の敷かれた洋室と畳の座敷が並ぶのは、大正モダンの趣を感じさせます。当時はまだ珍しかったバルコニーや水洗トイレも備えていました。
正雄は寂しがりやでにぎやかなことを好んだといいます。交流も広く、自宅には様々な文士や芸術家たちが訪れました。多くの文化人が文芸談義に花を咲かせ、麻雀を楽しんだ「文士の館」と呼ばれるほど開放的な家でした。正雄の妻が使っていた洋室「主婦室」には、壁一面に本棚があり、並んだ本は自由に手に取り読むこともできます。
また隣接する文学資料館には、久米正雄をはじめ郡山ゆかりの作家を紹介。作品や掲載雑誌のほか、自筆原稿や手紙などを展示し、それぞれの作家の足跡を紹介しています。常設展示のほか、趣向をこらした企画展示もあり、様々な視点で文学に親しむことができます。庭園には四季折々の花が彩り、来館者の心をなごませています。

 

名称  :久米正雄記念館
住所  :郡山市豊田町3-5
営業時間:10:00~17:00
定休日 :月曜日(祝日の場合は翌日)、館内整理日(土・日・祝日を除く月末)

 

まとめ 「久米正雄」の歴史、文化的な価値、魅力とは?

新思潮派の作家で、一番早く名声を得たのは久米正雄でした。しかしいまでは芥川龍之介や菊池寛の方が有名になり、久米はあまり顧みられることはありません。けれども大正昭和を代表する文豪であることは間違いなく、またその親交の広さは文学界において注目すべき点です。邸宅を移築した久米正雄記念館は、文人たちが交流をした空気をそのまま感じられる貴重な場所です。郡山にお越しの際はぜひとも立ち寄ってみてください。

 

「久米正雄」の歴史、文化的な価値、魅力

・現代では芥川などの隠れているが大正、昭和を代表する文豪
・俳句に目覚めた少年時代を郡山ですごし、その才能を開花した
・住んでいた邸宅を移築した記念館は当時のモダンな姿をそのまま楽しむことができる。

ふかしま。
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